にほんご練習帳

思ったことや感じたことを文章に表現する訓練のためやってます。できるだけ毎日続けようと思ってます。

オワコンじゃない?TV

1~2年ほど前に、NHK-BSで「おわこんTV」というドラマがありました。
斜陽産業となりかかっているテレビ制作会社を舞台に、日々自分の理想と現実に挟まりながら、それでも前を向いて頑張っている社員たちを描いた、とても気持ちの良いドラマでした。


あの番組では、登場人物たちは前向きながら、全体を通して「テレビ」が少~しずつ落ち目に向かっている雰囲気を絶妙なバランスで描いていたように思います。


そして先日、2015年のCMフェスティバル受賞作品を見る機会があり、そのときにふと「おわこんTV」のことを思い出しました。

 そこにはauのシリーズとか、ロト6とか、BOSSの宇宙人ジョーンズとかが入っていました。番外編としては、草彅さんが出演しているシマホとかも。


ひとつひとつの好き嫌いはともかく、なんとなく「CMって変わらないな」という感想をもちました。


前にチームラボの猪子さんが広告について語っているのを聞き、とても納得させられたことがあります。細かい言い回しは忘れましたが、要するに「広告はリアルじゃないからダサい。つまらない」ということ。一昔前なら、一流のクリエイターと俳優がクオリティの高い映像を作り、それをテレビで流せばそれだけで「すごい。面白い。」となるけど、今は世界中からシェアされる、リアルで面白いものがたくさんある。毎日そんな映像に触れていると、たとえば「松田翔太が桃太郎」であることにまったく共感も面白みも感じない、というようなことでした。


これは自分の感覚とも近く、たしかに毎日twitterやらなんやらでWEBのメディアに触れていると、次から次に「衝撃映像」の類をはじめとして刺激や意外性に富んだコンテンツを目にします。そんな中でテレビCMを見ると、否応なく退屈に思えてしまうことがあります。


これはもちろん、テレビCMを作っている人のセンスが進歩していないのではなく、テレビCMというものが「昔から変わってない人」に向けて作られているということでしょう。

そしてそれが一定の効果を上げているということでもあるのだと思います。



年齢の問題だけでなく、メディアへの接触態度として「前のめり(自分が求める情報を探す。向かっていく)」か「受け身(決まった場所に届く情報を見る)」か、ということもあるかもしれません。


そしてまだまだ圧倒的に受け身派が多数で、これからもテレビは大きな影響力をもったメディアであり続けるんだろうと思います。


ただ、そんな「変わらない」ものを見て、こんな風に感じる自分自身は少しずつ変わってきていることを感じました。そして徐々にではあっても世の中が変わっていく流れは確実に進んでいくんだろうな、と。


そんな「変わった」世界のテレビはどんな風になっているのか、今はまだ想像がつきません。が、いつまでもオワコンになることなく「やっぱりテレビは面白いね」となっていてほしいなと思います。