他人の批判をしているひとが、前に自分も同じようなことをしていて、それを蒸し返され批判される。こういうことをブーメランと呼ぶようです。
最近だと民主党が自民党や政府を批判したときに、自らの政権時代の言動を引っ張りだされる中でそのことばを目にします。
そして議論されるべきだったはずの自民党の問題はブーメランの陰に隠れ、うやむやになっています。
たしかにこんなとき、まわりで見ていて、ブーメランを食らった人を「カッコ悪いな・・」と感じるし、返した方はしてやったりの気持ちでしょう。
でもここで一度立ち止まって考える必要があります。
たとえば前に盗みをはたらいたことのある人が、別の泥棒を批判する。たしかに「お前が言うな!」という感情は生まれます。
けれど誰が言おうと言うまいと、「泥棒が悪いこと」というのは紛れもない事実です。
「お前が言うな」問題とはまったく次元の異なる話であり、そのせいで次の泥棒の罪が許されることはあり得ないはず。
わかりやすく面白おかしいネタが拡散する、それは仕方のないこと。でもその陰で、本当に重要なことが埋もれて忘れられることがないようにしたいです。
ブーメラン・・・危ない飛び道具に惑わされずに、きちんとじぶんの眼を見開いておきたいものです。