こんにちは
週末の金曜日など気が向いたとき、会社帰りにデパ地下でおやつを買って帰ることがあります。
親になってからの楽しみとして、子どもたちがおいしそうに食べているのを見ることがあります。
何より食べることが好きだったぼくが、自分よりも子どもが食べているのを見る方が好きになるとは驚きでしたが、とにかく彼らががつがつと頬張っているのを見ると、とても満たされた気分になります。
そんな「がつがつシーン」を期待して、先日はホールのチーズケーキを買って帰りました。
ベイクドとレアの中間のような、少し珍しい食感のタイプです。
帰ってきたぼくがお土産を持っているのをみて、子どもたちはとても喜んでくれました。
夕食後に食べようということで出すと、長男はもりもり食べてくれるのですが、4歳の次男はややスローペースです。
いつもだと甘い物やフルーツなど、そんなにたくさんどこに収まるのか、というくらい止めるまで食べ続けるのですが、その日はそれほど勢いがありません。
珍しいなと思いつつ、お腹がいっぱいなら残しておいて明日食べてもいいよ、と言うと、
「うん。明日食べる」と言ってごちそうさまをしました。
そのときは、夕食後でもあり本当にお腹がいっぱいだと思っていたのですが、次の日も何口か食べると、また勢いが止まってしまいました。
「またあとで食べようかな・・」と言います。
このときようやく気が付いたのですが、要するにそのチーズケーキがあまり好きではなかったようです。
「前に買ってきたシュークリームの方が好きだった?」と聞くと、少し気まずそうに
「うん・・」と答えました。
それまでの次男のイメージは、欲望に忠実な男であり、食べたいものを食べたいだけ食べる、嫌いなものははっきりと態度に出して拒否感を示す、そういうタイプでした。
今回は一応喜んだ様子を見せ、何口か食べていたので、まさか「好きじゃない」とは思いもよりませんでした。
それが、彼なりに父親に気を遣ってくれていたのです。
ぼくが子どもたちを喜ばせようと思って買ってきたのをわかっているから、「好きじゃない」と言うのをためらったようでした。
「もういらない」とは言わずに、「またあとで食べる」と言ったのもそういう理由のようです。
しみじみ「成長したな~」と思いました。
食べてもらえなかった残念さよりも、彼がぼくをがっかりさせないようにと思ってくれたことの嬉しさが、はるかに大きく胸に残りました。
子どもに対しては、いつもつまらないことで怒ってしまったり、西武が負けるとちょっと不機嫌に接してしまったり。子どものいないところで、妻とお互い自己嫌悪に陥ることもしょっちゅうです。
それでも子どもたちはいつの間にか「人として大事なこと」を少しずつ身に付けていっているようです。とても頼もしい限りです。
これからどんな成長を見せてくれるのか、ますます楽しみに見守っていきたいと思います。