こんにちは
もう半年前の記事なのですが、衆院議員寺田学さんによる、首相補佐官時代の東日本大震災の記録を読みました。
努めて客観的に事実を述べたとある通り、当時の自分の上司である菅さんを始め、政権幹部の面々や東京電力の人々など、良い面も悪い面も赤裸々に綴られている印象を受けました。
寺田さん個人の手記なので、もちろん一方からすると偏った言い分であったりするのでしょうが、これまで報道などで伝えられている以外の事実も含まれていることは確かで、とても興味深いものでした。
読んでみて強く思ったこと。それは、ぼくらは当時の関係者全員に、敬意と感謝、そして労いの気持ちをもつべきなんじゃないかということ。
菅さんも、東電の幹部も、原子力委員会の人も、寺田さんのような裏にいる人も、それぞれの意見はぶつかり合ったとしても、みんな文字通り「必死に」原発事故と闘ったことは間違いないのです。
第三者が、「今」を知っている立場から過去を振り返って「あのときこうすべきだった」と非難することは簡単です。
しかし当時は誰も経験したことのない危機です。「答え」を知らない中で、日本の運命・国民の生命を背負った決断を迫られる状態。そこで出した判断について、個人個人が必要以上に責められるべきことではないと思うのです。もし自分がその立場だったらもっとうまくやれた、と思える人がいったい何人いるでしょうか。
むしろ、まずは「お疲れさまでした」と労うのが本筋ではないでしょうか。
寺田さんの臨場感ある記述で現場の実態を知り、そこに携わったすべての人に関して、結果についての評価とは別に、個々の懸命な努力が認められてほしいと心から思いました。