Huluオリジナル作品はこれまで観たことがなかったのだけれど、アメリカでずいぶん高い評価を受けているらしいということと、アメリカが崩壊した架空の世界を描くという設定に興味を惹かれた。
週に1話ずつの配信だからまだシーズン1の途中なのだが、結構面白い。
生殖能力を持たない男女が増え、国家滅亡の危機を覚えた集団がクーデターを行い新国家「ギレアド共和国」を立ち上げる。子どもを産める女性を捉え、すべての人権を奪い「侍女」として高級官僚の男性にあてがう。反抗する人は男女問わず処刑されるという恐怖の世界である。
観ているうちに、まったくありえない世界ではないように思えてくる。
たとえば、日本で総理大臣が、自分の理想とする世界の実現のために自衛隊や警察を動かし国じゅうを支配したらどうなるか。抗議やデモを行うものは容赦なく処刑されるとしたら。武器をもたない国民は抵抗する術をもたない。米軍や国連だって介入できるとは限らない。
このドラマは、そんな何かちょっとした「一線」を越えるだけで、もしかしたらあっさり起こり得るかも、というリアリティにあふれている。ウォーキングデッドのようなホラー要素はないけれど、心の中がじんわり寒くなる恐怖を感じる。
でもこの話は不屈の主人公が悲劇に立ち向かう「希望」の物語でもあるようだ。
今後の展開に期待して観ていきたい。