子どもの頃は運動会が大好きだった。
練習をしているときから本番が待ち遠しくて仕方なかった。
比較的走るのが速かったから、両親や好きな子にいいところを見せられる絶好の機会だった。
昔、運動会でかけっこをやめる小学校があると聞いて、なんじゃそりゃ、と思ったことがある。苦手な子は嫌なのはわかるけど、社会に出たら競争社会だし、順位がつけられることに配慮して止めるというのはさすがに過保護だと考えていた。
今、脚がそれほど速くない子を持つ親として、かけっこなんて今すぐ無くなってしまえばいいと思う。
強制的に大観衆の前で走らされて、必然的に順位がつけられる。あまりにも残酷だ。
勝負の要素を取り入れたいなら団体競技でもいいはずだし、好きな子は少年団でスポーツでもすればいい。
走るのを観るのは確かに盛り上がるけど、それなら選抜メンバーのリレーだけでもいいんじゃないかと思う。
かけっこは止める理由はいくつも思いつくが、それが必要な理由はほとんど見当たらないほど、なくてもいい競技ではないか。
こんなことは、子どもがいなければ思いもしなかったことだろう。子育ては視点を変えてくれる。本当に面白い。