にほんご練習帳

思ったことや感じたことを文章に表現する訓練のためやってます。できるだけ毎日続けようと思ってます。

「肩書き」とうまく付き合うには

会社のポストというのは特殊な「属性」だ。時間の経過とともに変わる。ときには下がったりもする。オーナーでもない限りはどんな役職でもサラリーマンだ。上司から給料をもらっているわけではない。人事権を握られてたりすると立場は弱くならざるをえないけれど、基本的には「役割」が違うだけで、人としての上下ではないはずだ。

 

西武ライオンズ松井稼頭央という選手がいる。PL学園からライオンズに入団し球界を代表する遊撃手として大活躍。その後メジャー移籍、楽天を経て今年から西武に復帰している。すでに名球会入りをし、生涯年俸は数十億に達するというまさに「大物」だ。

 

でも現在のライオンズではレギュラーではない。チームは68試合を終えた時点で、出場はわずか12試合、22打席にとどまっている。きっと年俸だって一軍選手の中では下から数えた方が早いだろう。無理やり会社に例えるとしたら、昔は泣く子もだまる出世頭だったのが、現在はイチ平社員になっているようなものかもしれない。

 

それでも松井には、松井にしかできない役割がある。今は戦力としての順位は高くないかもしれないが、彼の存在は若いチームにおいて教科書であり、精神的支柱になっている。バリバリの主力選手たちにとっても、彼はレジェンドでありリスペクトの対象なのだ。

 

何が言いたいかというと、会社にもそういう人間関係があるといいな、とふと思った。つまり役職は「役割」として便宜的に存在するけれど、過度に上下関係を意識することなく、その人がもっている魅力や能力を純粋にリスペクトしあう関係だ。たまたまマネジメントが向いていれば役職は上がりやすいかもしれないが、現場の能力としてはもっと有能な人がいる場合もある。現実には役職が違えば給料だって違うから、素直に認め合うのはなかなか難しいかもしれないが、それなら野球選手だって同じことだ。健全なライバル心とリスペクト。その2つが併存すれば、会社はもっと素敵なコミュニティになれるんじゃないだろうか。