にほんご練習帳

思ったことや感じたことを文章に表現する訓練のためやってます。できるだけ毎日続けようと思ってます。

本物がちゃんと売れる世界になってきている

最近仕事で関わった商品の話。おいしさには定評のあるメーカーで、今回の新商品もさすがの味だ。でもあまり営業が強くなく商品力の割には配荷が少ないため、知る人ぞ知る、という立ち位置である。プロモーションもあまり奇をてらったことは好まない。とにかく実直な会社なのだ。


新商品発売を控え、何度か広告・販促展開の提案を重ねた。提案する側としては、やはり少しでも話題になって広がってほしいと考えるし、どうしても「企画力がある」とアピールすることを意識してしまうため、目新しいことに走りがちである。しかし結論としてはいつも通り、オーソドックスなサンプリングやプレゼントキャンペーンに落ち着いた。


ところがいざ始まってみると、反響がすごい。応募数は想定をはるかに超え、サンプリングも大賑わい。そこで気に入ってくれた人たちが自主的にハッシュタグをつくってSNSにUPしてくれるようになっている。こちらが拡散する仕掛けを設けているわけではなく、あくまでも自然な広がりなので、まだ投稿数がそれほど多いわけではないけれど、それに「いいね」した人まで考えると、オーガニックな好意的評価を目にしたのはかなりな数に上るはずだ。


やっぱりどんな広告宣伝もプロモーションも、商品の本質的価値、食品であれば「おいしい」に敵うものはない。それさえしっかりあれば、きちんと評価してもらえる。ほんとにいい時代だと思う。ぼくら広告屋の仕事としては、小手先の仕掛けを考えるのではなく、いかに「おいしい」が印象付けられる文脈で商品に触れてもらうか、そこの接点づくりに知恵をしぼっていきたい。