自分史上、もっともたくさんアルバムを買った洋楽アーティストであるQUEEN。高校生になり洋楽に目覚めた頃には、フレディは既に亡き人であったが、バンドをやっている友達にベスト版を借りたのが出会いだった。それから10枚以上になるだろうか、とにかく買っては聞き込みハマりにハマっていた一時期があった。
好きな曲は数えきれないが、特に”Somebody to love”のピアノのイントロはたまらない。聴けばいつでも泣ける自信がある。
今回の映画に関しては、ガッカリするのが怖くて観るつもりはなかったのだけど、特にファンでもないうちの奥さんが観に行くというから、なんだかそれも悔しくて一緒に行くことにした。
とてもよかった。ストーリーとしては、駆け出しから栄光をつかみ、挫折、そしてクライマックスと、王道の展開ではある。でも俳優の魂のこもった演技、そしてヒット曲オンパレードの音楽に心が掴まれっぱなしで、あっと言う間の2時間だった。
いつの頃からか、特定のアーティストにのめり込むということがなくなった。でもこの映画を観て、あの頃、CDを買って封を切るのももどかしく取り出し、プレイヤーの再生ボタンを押し何度もアルバムを聴きこんだ、高校生の自分が抱いた高揚感が蘇ってきた。しばらく我が家のBGMはQUEEN一色となりそうだ。
ちなみに一番泣けたのは父親とフレディの抱擁シーン。残念ながら父親に感情移入して泣けていることに気づいた瞬間、中年の自分を実感させられたのであった。