こんな気持ちは初めて。なんだか少女の告白のような書き出しになってしまったが、ほんとに初めてなので仕方がない。
具体的に言おう。チャンピオンのようなチャレンジャーのような、そのどちらでもないような。そんな心持ちは、過去30年以上の西武ファン歴においても経験がないのである。
昨年の優勝チームであることは紛れもない事実。しかし不動の3番セカンドにして打点王そしてキャプテンまで務めた浅村と、ローテーションの柱である菊池が抜けた穴が果てしなく大きいこともまた事実。解説者は口を揃えてソフトバンクの1強を予想し、西武はよくて対抗馬。そんな評価はファンからみても妥当と思える。
西武は、主力が移籍した次年度に好成績を収めていると言われる。けれど今回は「そうならなかった年」の方に当てはまると思う。ひとつは松坂大輔が移籍した翌2007年、チームは前年の2位から5位に沈んだ。この年は不正スカウト問題で糾弾された逆風も大きかったが、やはり絶対エースの存在はあまりにも大きかったことを思い知らされた。もうひとつは2012年オフの中島裕之の移籍。毎年ほぼフル出場を続けていた彼がひとり流出することは「3番打者」と「ショート」という攻守両面で2つの大きな穴が開いたことを意味した。同時に2つの穴を埋められる選手などそうはいない。必然的に守備力を優先すれば攻撃力は落ち、その逆もしかり。結局、以降の西武は源田の登場までレギュラーのショートが定まらず、長い低迷期に入ることになる。
そして浅村の流出で開いた穴は、中島に匹敵するものに思えるのだ。
ということで、今年の状況は非常に厳しいと感じる。
そんな長い前置きをしつつ、今年の成績予想を書いておきたい。
打者
金子侑 率275 本6 点38 盗55
源 田 率289 本2 点45 盗50
秋 山 率335 本28 点88 盗18
山 川 率303 本52 点122
森 率316 本21 点79
外 崎 率282 本28 点85 盗39
栗 山 率296 本12 点58
中 村 率266 本38 点75
木 村 率271 本10 点42 盗25
メヒア 率281 本15 点38
投手
多和田 15勝10敗 防3.25
高橋光 12勝 8敗 防3.88
今 井 11勝 5敗 防3.05
松本航 10勝 6敗 防3.72
榎 田 8勝 8敗 防4.10
内 海 7勝 2敗 防3.56
ニール 13勝 6敗 防2.99
順位はもちろん優勝である。
秋山・山川・森のクリーンナップは12球団一の破壊力だし、更なる進化を遂げた外崎が見事に浅村の穴を埋め、もともと走守に定評のある金子・木村の打撃がレベルアップしレギュラーに定着、中村はアーティストとして復活と、攻撃・守備力は優勝した昨年をさらに上回る力があるはずだ。
投手力が弱いと言われるが、高橋光・今井は他球団でもエースになれるほどの素材。そのブレイクは今年である。昨年最多勝の多和田とルーキー松本を加えた若き4本柱は、これからの西武のシンボルとなるだろう。そして困ったときのベテラン、内海と榎田が要所でいい仕事をして先発陣を支えてくれるはずだ。地味に期待しているのがニール。オープン戦はパッとしなかったが、良い時のディクソンやメンドーサくらいの働きをしてくれると思っている。
そしてこの先発陣以上に重要かつ期待しているのが、リリーフ陣である。序盤は武隈が先発にまわるようだが、小川・野田・平井・増田・マーティン・ヒースの勝ちパターン6人衆は決して他球団にヒケをとらない。彼らが実力通りにやってくれれば勝ち試合を確実に拾っていける。その意味では、リードされた接戦でしっかり仕事ができる、6人衆に続くピッチャーの台頭を望みたい。候補は大石、伊藤、齊藤あたりになるだろう。
書いているとワクワクが止まらない。ディフェンディングチャンピオンでありながら伸び盛り。西武の歴史上でも例がないほどの魅力にあふれた2019年シーズン。楽しみしかない。