にほんご練習帳

思ったことや感じたことを文章に表現する訓練のためやってます。できるだけ毎日続けようと思ってます。

人生100年時代と言うけれど

うちの会社では、50歳を超えた人を対象にライフプランセミナーというのが開かれるらしい。60歳まで勤めたときに、退職金がどのくらいで、月々の年金額やその後必要になる費用などを勘案したうえで、今のうちから計画的に資産形成をしよう、という指導のようだ。

セミナーを受けた人のほとんどは、人生100年時代とも言われる老後に不安を覚え、しばらくは月に千円でも節約して貯金しようという気持ちになるらしい。それはそうだろうと思う。


でも、である。一方で「死」への覚悟も必要だ。ぼくの父は60代で死んだ。言うまでもなくもっと若くして亡くなった人も周りにはたくさんいる。いつなんどきそれが訪れるのか誰にもわからないが、自分で思っているより早い可能性は大いにある。心のどこかにその覚悟を忍ばせながら、万一のときには残された家族が最低限の生活を保てるようにも考えておかなくてはいけない。


100年生きるための準備と、早く死んでしまったときのための準備。ある程度の大人になると、一見矛盾するような2つの不安を抱え生きていくことになる。もう少し歳をとると、さらに親の介護や子どもの進路なども加わり、悩みは増えていくばかりだろう。


何のために生きているのかなんて思えてくるけど、大切なのは、不確かな未来について考えすぎない、ということかもしれない。このわずか10年間に起きたことでさえ、10年前のぼくは想像もできなかった。2人の子どもが生まれ、家をもち、キャンプや登山の楽しみと出会い、父や義母と別れた。人生設計なんて言葉は、誰かがビジネスのために生み出したまやかしなんじゃないかという気がしてくるくらいだ。波に乗るように、風に吹かれるように、目の前の日々の中でささやかな楽しみを見つけて生きていこう。