にほんご練習帳

思ったことや感じたことを文章に表現する訓練のためやってます。できるだけ毎日続けようと思ってます。

かわいい子には旅を

次男が幼稚園に行きたくないとぐずりだしてから約半年。

 

正確には「行きたくない」ではなく、登園時間が近くなると目に涙を浮かべて「お腹が痛いんだよね...」と訴える。

 

理由はよくわからない。本人もなんでかわからないと言うし、先生も心当たりがないとのこと。

 

最初のうちは無理させずに休ませたりもしていたけれど、毎回そういう訳にもいかない。

そこで、それまでバス登園していたのを、奥さんが送り迎えし「帰りたくなったらいつでも迎えに行ってあげるから」ということにした。

 

それでなんとかまた毎日通うようになり、一時間くらいで先生から迎えのお呼びがかかることもあったけれど、少しずつ幼稚園にいられる時間が伸びていった。

 

この2ヶ月くらいはすっかり定時登園・降園できるようになり、だいぶ元どおりの生活になってきた。

 

仕上げはバスだ。

10月からはいよいよバスに乗ろうということで本人も納得。

今朝初日を迎えた。

 

さすがに起きた時から緊張の色を隠せない。

朝ごはんを無事に食べ終わり、トイレに行って停留所まで出発というときになって、泣き始めた。

 

ただひたすら泣いている。不安な気持ちはぼくも奥さんもよく分かる。つい「今日は送り迎えにしようか?」と言いたくなるところをグッとこらえた。この「最初の一回」をクリアしないことにはいつまでも「次」はない。

 

だから「一回目は緊張するけど、それを乗り越えたら明日からは楽になるよ」と言い聞かせた。

 

彼はひたすら泣いていた。でも「行きたくない」とも「お腹痛い」とも言わなかった。

ぼくと奥さんの手をそれぞれ右手と左手でギュっと握りしめて、ただ泣き続けた。

 

それから玄関に向かい、靴を履いて外に出たときには、心を決めたかのように泣き止んでいた。

 

成長したなと思った。

奥さんによると、バスに乗ったあとはずっと反対側を向いていたらしい。

きっと涙をこらえていたのだろう。

 

 

幼稚園に無理して行かせること自体に、どれだけ意味があるのかは正直言ってよくわからない。

行きたくなければ休ませてあげればいいのかもしれない。

 

でも確実に言えるのは、この先の彼の人生で、ぼくら両親が守ってあげられる期間はそんなに長くはないということ。

 

学校に行っても社会に出ても嫌なことはある。時には悪意ある人にだって出会うだろう。

そんなときに自分でどうにかして切り抜ける力をつけてもらいたい。そのためには泣く子どもの背中を押して送り出すことに意味がある。そう信じたい。