100万部突破らしい。
ぼくが買った帯には25万部突破、とあるから、ものすごい勢いで売れているようだ。
勝手な推測なのだが、これは他の本と比べてamazonよりもリアル書店で売れているのではないだろうか。
なんといっても「表紙」の力がすごい。
書店を通りかかったときに、あのコペル君の視線を受けたら最後、手に取らずにはいられなくなるだろう。
もちろん内容も素晴らしかった。
いろんなメッセージが込められているけれど、読み終わって最初に感じたのは、人は変わらないということだ。
この原作が書かれたのは80年前。その時代に生きる少年の悩みはそのまま共感できる。それどころか、今でも「すべて自分、人間が中心」と思っている人が多数派なのは、コペルニクスの時代から変わっていない。
長い長い地球の歴史からみれば、そんな人間が誕生してからこれまでの年月など、ほんの一瞬にすぎない。
ましてやヒト一人の人生など。
そう考えると、少し気が楽になる。
「ナニモノか」になろうと必死に努力するのもいいけれど、他人と比較するのではなく、自分にとっての幸せが何かを見極めて、悔いなく生きるのが一番だと思う。
いずれヒトは死ぬ。
それが40歳だろうと100歳だろうと、長い歴史からみたらほんの誤差のようなものだ。
あまり先を考えすぎずに、目の前を楽しむ。そんな気持ちにさせてくれた本だった。