言わずと知れた大ヒットドラマ「ブレイキング・バッド」のスピンオフ作品。
ドラマでも主役級の存在感を見せた、悪徳だが憎めない弁護士ソウル・グッドマンが、まだ「ジミー・マッギル」として活動していた頃のエピソードだ。
彼がいかにしてあのようなキャラクターになっていったのか、駆け出し時代や幼少期のエピソード、兄弟や恋人との関係を描きながら、少しずつ解き明かしていく。
また同じくドラマで重要な役どころのマイクやトゥコなども登場し、絶妙にブレイキングバッドとの繋がりも見せてくれる。
ドラマとしても魅力的だ。目先の利益を追い求め平気で人を騙すかと思えば、困っている人をどうしても放っておけず結局貧乏クジをひく、ズル賢くもやさしいジミー。
悪いことを考え、時には人を陥れ、でも葛藤し、反省し、誰かのために尽くし、でもまた失敗する。
このドラマの魅力は、ぼくの中にも紛れもなくジミーが潜んでいて、人生において感じる寂しさや嬉しさを余すところなく代弁してくれていると感じられるところなんだと思う。
映画でもドラマでも小説でも、好きだと思えるものは全部そうだけれど、やはりどこかで自分の一部が共鳴する。
あからさまになりすぎず、ちょっとしたセリフや表情、あるいはカメラワークなどで表現されることで自然と感情移入させられているのだろう。
それにしてもNetflixはほんとうにどのドラマも面白い。この平均点の高さは恐ろしいほどだと思う。