4年生の息子が夏休みの宿題に読書感想文を書くらしい。
最近彼は、ぼくが持っている「あしたのジョー」を読みふけっているので、冗談半分で「ジョーの感想文書けば」と言うと真剣に「マンガはダメなんだよ!」と怒った。どうやら指定図書というのがあるらしい。
そこで「なんでマンガはだめなの?」と聞くと、うーんと考えたあと「先生が言ってたから」なんて情けないことを言う。
もうひと押し「自分ではなんでダメだと思う?」と訊ねると、さんざん考えて「本の方が説明の文章とかあって勉強になるから」と答えた。
確かにそうだね。お父さんも別に答えをもってるわけじゃないけど、言われてみるとそう思うよ。
たぶんそれぞれにいいところがあるのだと思う。本はやはり想像力を働かせるし、語彙だって増えるだろう。
一方でマンガはセリフのない一コマやちょっとした表情にも意味がある。そこを無意識に読み解いていくことで育まれる感受性だってあるはずだ。
感想文の宿題というのは、自分の感想を表現するための「文章力」を養うことが目的なら、それはきっとマンガでも映画でもかまわないだろう。
でもそうではないというなら「本を読ませること」が目的ということか。
もちろんそれならそれでもいいのだけど、ひとつ気になるのは、興味の湧かない本はどれだけ目で字を追ってもひとつもアタマに入らないし、強制されたところで何の役にも立たないだろうということ。
本を指定するというなら、子どもたちを本好きにしてやるという意気込みで、選書には徹底的にこだわってくれているといいなと思った。