にほんご練習帳

思ったことや感じたことを文章に表現する訓練のためやってます。できるだけ毎日続けようと思ってます。

涙を分析する

父の遺品整理をしていた母からLINEで画像が送られてきた。絵が大好きな父のスケッチブックから、ぼくの長男を描いたものが出てきたのだ。息子がまだ小さいころ、ぼくが離れて暮らす両親へ、手紙に添えて送った写真をもとに描かれていた。なんともいえない感情が湧いて涙が出た。


ひとしきり感動した後で思った。この涙は何に対して流れたんだろう。「なんともいえない感情」の正体は何だろう。そんな興味をもつ自分に興ざめしつつ、考えてみた。


まずは「嬉しい」。絵に描きたいと思うくらい、ぼくの息子を愛しく思ってくれていたのだろう。父が描いた我が息子は、聞かん坊な、けれどどこか思慮深さが感じられる、なんとも魅力的な表情をしている。父さんはこんな風に見てくれていたのかという嬉しさはひとしおだ。


そして「驚き」。ふだん面と向かっては孫を溺愛する素振りを見せない父だっただけに、この意外性は大きく心を揺さぶった。


でもそれだけではないだろう。もし父が健在だったとして。ある日母が「お父さんが絵を描いたよ~」と息子の絵を送ってきたとする。もちろん驚くし嬉しいはずだ。でも涙が出るだろうか?(いや出ない。)


ということは、この嬉しさをもう本人に伝えることができない、そんな寂しさや無念さも同時に混ざっていたのだと思う。


こんな感情が一斉に押し寄せてきた結果、気づいたら涙が流れていた。そういうことだろうか。う~ん、まだまだ言語化できていない感情が混ざっている気がするけれど、今日はこのくらいにしておこう。