何かを批判するのはたやすい。
このブログは、書くことの「訓練」の場なので、世の中の話題に乗っかって論評するような安易なことは少なめにしてきたつもりだ。
でも一つだけ、ものすごい違和感に襲われていて、どうしてもその思いを何かにぶつけておきたいことがある。
それは最近話題になっている「髪染め問題」についてだ。
生まれつき髪の茶色い女子高生が、校則により無理やり黒髪にさせられたという件。
言うまでもなくヒドい話だ。
批判されて当然だと思う。
でも一連の報道や騒ぎを見ていて腑に落ちないのは、ぼくの見る限り多くの批判が「生まれつき」の茶髪を強制的に黒髪にしたことへ向いている、ということ。
いやいや、「生まれつき」かどうかが重要なんじゃなくて、そもそも「髪の色」を強制することに何の意味があるのか、という批判がもっとあるべきなんじゃないかという気がする。
髪の色だけではない。世の中の校則には、ほとんど人権侵害とも思えるような、人間教育に何の意味もなさそうな縛りが山ほどある。
この髪染め問題を機に、そんな非常識な規則にも批判の目が向いてほしいと思う。
けれど「生まれつき」という前提がつく議論にとどまっている限り、それは望めない。
そこがなんとももったいなく、歯がゆい気分でいっぱいなのだ。