にほんご練習帳

思ったことや感じたことを文章に表現する訓練のためやってます。できるだけ毎日続けようと思ってます。

拝啓、西武ライオンズ球団社長様

スポーツ新聞などの記事によると、西武ホールディングス株主総会で、ライオンズの高橋光と今井の長髪について「見苦しい。スポーツ選手としてどうかと思う。球団から注意できないものか」という発言があったという。


たった一人の株主が発した意見を、さも大きな問題のように取り上げて騒ぎ立てるマスコミに対してはいつもながら呆れてしまうのだけど、高橋と今井には、圧倒的な結果で意地を見せてほしいと願うばかりである。


それはそれとして、この意見に対して球団社長は「貴重なご意見をいただきましたので、球団として適切に対応、建設的にやってまいりたいと思います」という回答をしたと報道されている。状況を考えると無難な回答だとは思うけれど、ファンの一人としては残念に思った。

世の中にはこの株主のように、正当な理由もなく、個人の服装やおしゃれをする自由を奪おうとする人たちが一定数存在する。そしてなぜかそれが正しい意見かのように報道されている。どこかで誰かがそんな風潮にはっきりとNOを言わなければ、いつまでたっても状況は変わらない。


少なくともライオンズ球団は彼らに髪形の自由を認めているのだから、それは堂々と主張されるべきだったと思う。球団社長はその株主に対して「なぜスポーツ選手は長髪が許されないのか」と問い返してほしかった。多様性に寛容であることが求められる時代に、軍隊のように無個性なファッションを強要されるプロ野球選手が、子どもたちや若者の憧れとなりえるだろうか。そう問いかけてほしかった。


会社は株主のもの、そんな建前よりももっと大切なのは「会社としての社会的な存在意義を発揮する」ということだと思う。プロ野球の球団の存在意義は、ファンに楽しみや生きがい、前向きに生きる力を与えることだ。そのためにはまず選手一人ひとりが、野球を楽しみ、人生を楽しめること。ライオンズはそんな環境づくりを大切にする球団であり続けてほしい。