夏休みど真ん中でも21時にもなれば、 車はほとんど走っておらず道は真っ暗。
スーパーは20時まで。閉店間際は食べ物の棚は空っぽ。
アブや蚊はたくましい。虫よけも効いているのかいないのか。
これだけ有名な場所でありながら、 観光客向けに最適化された環境は存在しない。
でも最高。いや、だから最高なのか。
圧倒的に濃く荒々しい樹木の茂り。
暴力的なまでの水量が轟音とともに叩きつけられる滝のしぶき。
波打ち際からすぐに深さを増すシビアな海で、 悠々と泳ぐ無数の魚たち。
ちょっと油断したり運が悪ければ、すぐにケガをしたり、 事故に合う可能性もあるかもしれない。
だからこそ、人間も自然の中で生活させてもらっている、 ささやかでちっぽけな構成員の一部だと心の底から実感できる。
リゾート地の無防備な開放感とはちょっと違う。 動物としての本来的な感覚が呼び起こされるような、 アウトドア寄りの解放感だ。
あとは、飲食店のレベルが高い。
素材がいいのはもちろんだろうけど、 その活かし方をよくよく知っている人たちという感じ。
クセになる魅力がある。何度でも行きたい。