にほんご練習帳

思ったことや感じたことを文章に表現する訓練のためやってます。できるだけ毎日続けようと思ってます。

押しつけない

会社帰りにたまたま見た駅ポスター広告。

車のナンバープレートが「日本」になっているビジュアルとともに「心には日本ナンバーを」というコピーが書かれていた。

 

ボディコピーを読むと、この新型コロナの流行にともなう、県外ナンバーの車を差別するような風潮に物申す、という意図のようだった。心には日本ナンバーを掲げてワンチームで乗り切ろう、と訴えていた。

 

正直に言って、個人的になんとなく好きになれないタイプの広告だと思った。じゃあなぜ好きになれないのか、ちょっと考えてみた。

 

ひとつは「日本」という帰属意識を押し付けられていること。人の「心の中」のことまで指図するような上から目線の物言いが、やや鼻につくのは否めない。ラグビー日本代表を応援したのは、彼らの努力と命懸けの戦いに感動したからであって、広告に押し付けられたからではない。

 

そしてもうひとつ、「正しいこと」を「正しい顔」で言い放っていること。コミュニケーションのあり方として、「正しい」ことを言うには、少しの「ツッコミどころ」とか「隙」が必要なんだと思う。同じことを主張するのでも、もう少しユーモアのある表現だったら、もっと共感されるものになる気がした。

 

最後に、これだけ書いておきながら、結局あれが何の広告だったのか、広告主はどこなのか、さっぱりわからなかった。これはけっこう致命的だけど、メッセージ型の広告にはありがちだ。同業者として気をつけよう。