確か40歳のことを指して不惑と呼ぶ言葉が存在していたような気がするのだが、勘違いだったろうか...
ぼくの40代は惑いに惑っている。
仕事はそれなりに経験を積み、ある程度のことはこなせるようなった。無理に何かを押し付けられることも減り、自分の得意分野を自分のペースで進められることも多い。
なんだけど、自分の心では、明らかに仕事への関心が減っていると感じる。
正直に言って、心の底には熱意がない。
仕事を適当にこなしている、というのとは違う。
責任があるから、一応真剣に考え、できる限りのことはしているつもりではある。
でもどこか他人事に思えるというか、空しさを感じてしまう。
もう少し心の声に耳を傾けると、もっと直接的に、誰かの役に立っている実感がほしいと感じている。
小さなことでもいい。自分の仕事が誰かを笑顔にしたり、人生に幸せな瞬間を生むようなことに関わりたい、という気持ちが年々強くなっている。
そして同時に、自分の好きなことをもっと突き詰めて仕事にできないか、考え始めている。
収入の安定だけを考えるなら、きっと今のままがいいだろう。でもそのために生きているのではない。
幸いこれまで、ぼくはある程度自分で満足できる人生を送ってきた。
でもこれから、現状のままで過ごした先に死を迎えるとき、果たして幸せだったと思えるのか、ちょっと自信がなくなってきている。
最期の瞬間に「楽しかった」と思えるとしたら、どんなチャレンジをしたらよさそうか。そんな逆算で考え、実行していきたいと思う。
40代。先が長いのか短いのかよくわからない。でもなんとなくレールの先が想像できるようになる。そこを進むのか、方向を変えるのか。ぼくは惑い続けている。