久しぶりにガストに行ったら、いろいろと新鮮な驚きがあった。
仕事中に珍しく車で移動中だったので、 ロードサイドでランチを済ませることになり、そこでガストを選んだのは、駐車場が広くて停めやすい・行列とかなくすぐに入れる、という理由だった。
これまでぼくのガストの料理に対するイメージは、 日替わりランチなどがまあまあ安くて味も及第点、という感じ。
何かが食べたくて積極的に選ぶ、という存在ではなかった。
ということで入店すると、 まず美味しそうな唐揚げの写真が目に付く。
どこかの専門店と契約しているらしい。
注文はタブレットだけど、押しの商品は、 別にメニューとしても置かれている。美味しそうな写真とコピーが大きく目に入るようになっていて、それがPOP替わりにもなっている。
一番安い日替わりランチを食べるつもりで来店したぼくは、まんまとその150円くらい高い唐揚げ定食をオーダーすることになった。
ガストのタブレットは初めてだったが、操作も分かりやすく、戸惑うことなく確認画面までたどり着く。その「注文を確定」ボタンを押すまさに直前に「ご一緒にいかがですか?」とドリンクバーのボタンが現れる。ECサイトの運営ノウハウでもよく書かれる「買うと決めたあとが一番アップセルのチャンス」というやつだ。(ぼくはアップセルしなかったが ...)
食べている間は、脇においたタブレットが広告媒体に早変わり。スイーツ のプロモーション動画が繰り返し流れている。
よく見ると各テーブルにはコンセント完備。当然WiFiもだ。こうして長居客を歓迎する裏には、その間に追加のオーダーを獲得する自信があるのだろう。
実際、タブレットで紹介されているパンケーキはめちゃくちゃ美味しそうで、時間に余裕があったら注文していた可能性を否定できない。
これまで安いランチ目当てでしか来店したことがなかったぼくは、会計をする頃には「今度子どもを連れてきたら喜ぶかもな」と思うまでになっていた。
広い駐車場やオトクなランチをきっかけに来店促進し、効率的に客単価を高めていく。
マンパワーは極力減らしながら、それでいて客に不便を感じさせない。それどころかリピートまで考えさせている。
まさに教科書通りのような「マーケティング」を忠実に実行し、魅力ある店舗になっている。ガストのすごさを実感した。