年末年始、親戚で集まっていたときのこと。
子どもたちどうしの会話がたまたま聞こえてきた。
うちの4年生の次男に、同学年のいとこが質問している。
「将来の夢あるの?」
「…うん。マンガ家」
初耳だった。
うちの子どもは二人とも、あまりそういうことを口にしない。
恥ずかしいのか、親を信頼していないからなのかわからないが
たまに聞いても、明確な言葉を聞いたことはなかった。
マンガ家。聞いて浮かんできたイメージは「大変そう」「 ハードな仕事」だった。
正直、自分に才能があったとしても、 とてもやりたいとは思えない。
自分の息子が、 マンガ家を目指して幸せをつかむイメージがあまり浮かんでこない 。
そんなことを考えながら、自分がしっかりと「理解のない親」 に片足を踏み入れていることに気がついた。
自分はやりたいように生きてきたし、 子どもたちにも好きに人生を過ごしてほしい。
日ごろそんなことを思っていたはずなのに。
子どもが夢を追いかけるなら、 その結果はどうあれ全力で支えてあげたい
そんなことも考えていたはずだ。
それが、「マンガ家」に対してロクに知識もないのにも関わらず、限られた情報だけをもとに、もう否定的な気持ちをもっている。そんな自分にがっかりしてしまった。
でも一方で、子どもが苦労する姿を見たくないという、 自分に芽生えた気持ちの強さにも驚いた。
それも、まだ4年生の子どもが語る夢に対してのことである。 先が思いやられる。
父親としての修行は続く。